『人生は運よりも実力よりも勘違いさせる力で決まっている』を読んだ感想を書きます。
著者は、ブログ「ふろむだ@分裂勘違い君劇場」を運営するふろむださん。
ふろむださんは、本編の5章分を自身のブログで公開している少し変わった方です。
この本は、このような方に読んでほしい本です。
- 清く正しく美しく生きて成功したい!
- ずるいこと、かっこ悪いことはしたくない!
- 実力で成功したい!
その理由は本書を読めばすっきりします。
無料で5章まで読めるので、気になる方はチェックしてくださいね!
「脳は過剰に一貫性を求める」という事実
本書では、脳が以下のように一貫性を求める習慣があることを詳しく説明しています。
- 脳は一貫していない状態が、不快。
- 脳は一貫しているものが、大好き。
- 脳は一貫してるものを、真実だと思い込む。(たとえ間違っていたとしても。)
脳は、一貫していないことを嫌い、無理やりでも一貫性を見出す習慣があるそうです。
「一貫性を求める習慣」が分かりにくいのですが、理解しやすいよう、以下のような実験が紹介されています。
過去にアメリカで行われた実験です。
【Step1】
被験者は1時間つまらない作業をやらされる。
【Step2】
被験者は、2つのグループに分けられる
【Step3】
被験者は、実験担当者から次に作業を行う人に「面白い作業だった」と言って下さいと指示される。そして、それを言う報酬として、それぞれ次の金額が与えられる。
グループ1:20ドル
グループ2:1ドル
【Step4】
最後に、被験者は作業が面白かったどうか実験担当者にアンケートに答える。
この作業の結果、どちらのグループが作業を面白かったと答えるでしょうか?
グループ1は20ドルを貰います。
グループ2は1ドルです
面白い結果ですが、なんとグループ2の方が、グループ1より作業が面白かったと答える傾向が強かったそうです。
つまり、同じつまらない作業を行った被験者でも、報酬を低く支払った方が、仕事を面白いと感じるようになったわけですね。
なぜでしょうか?
グループ1の脳内はこのような図になります。
グループ2はこうなります。
脳は、一貫性を求めるので、どちらかの事実を捻じ曲げてでも、矛盾を無くそうとします。
- 報酬が少ないという事実。
- 作業がつまらなかったという事実。
実験の場合、報酬額を変更できないため、脳は作業が面白かったと記憶を変え、矛盾を無くそうです。
脳は、事実を捻じ曲げてでも、矛盾を無くそうとする習慣を持っていることが分かります。
そのため、被保険者はウソをついているのではなく、記憶そのものが「面白かった」と書き換わっているため、記憶を正直に答えただけなのです。
ここが、最大のポイントだと僕は感じました。
一貫していない状態にあると、脳は過去の記憶を書き替えてまで、むりやりにでも、 一貫させようとするそうです。
つまり、私たちの脳内では、日々、無意識に矛盾が解消されている事実です。
記憶を書きかえてまで、 一貫させようとする。
怖くないですか?
脳にはそのような習慣があることを知ることは非常に重要だと感じました。
「脳は過剰に原因を求める」という事実
脳は、単に偶然の結果にすぎないことにまで、むりやり原因を見つけてきます。
犯人がいない場合でも、犯人がいないという現実に耐えられず、犯人をでっちあげるそうです。
偶然成功したのに、成功したのは「実力があることが原因だ。」と脳は考えます。
原因を見出すのに必要なデータがそろっていないときでも、脳はむりやり原因を見出します。
たとえば、プロジェクトを1つ2つ成功させたぐらいでは、たいしたことはわからないのに、A君がこのプロジェクトを成功させたのは、優秀だからだ!と原因を見出します。
その反面、案件を1つ2つ失敗したぐらいでは、たいしたことはわからないのに、B君が失敗したのはB君が無能だからだ!と原因を見出します。
脳は、原因がわからなくても、一貫性のある原因を見出したい習慣があるのです。
私たちが住む世界では、実力が100%正しく評価されないこと、よくありませんか?
なんであんなヤツが評価されるんだ?
と疑問に思ったことありませんか?
筆者の考えとしては、たとえ部下のおかげで達成できた実績だったとしても、脳はむりやり一貫性のある原因を見出そうとするため、日頃自分(上司)が気に入っている部下や社内で評価が高い者に対しては、高評価を出す習慣があるそうです。
そんな〜・・・
実力が評価される時代が来た!と思っていたのは僕だけだったのでしょうか。
脳にはこのように、無意識に自身が好印象を抱く人物に対して、意識とは別に高評価を下す習慣があるため、上記のような出来事が会社で起こった際には、不器用な人が責められてしまうんですね。
「脳は過剰に結論を急ぐ」という事実
結論を出すのに必要なデータがまだそろっていなくても、むりやり結論を出す習慣があります。
その時にすぐに思い浮かぶ情報だけで、むりやり結論を出します。
結論を出すのに、時間がかかりそうな問いは、すぐに結論を出せる問いに起きかけて、むりやり結論を出し、判断が難しいときは、デフォルト値を結論にしてしまう。
無理やり「こういうもんだろう」と結論を出す。
会社で仕事はあんまりできないのに、評価が高い人間っていませんか?
なぜ、その方が社内で高評価されているかは、脳の構造から来ているんですね。
そのため、脳の習慣である「一貫性・原因・結論の3つを過剰に求める傾向」に注意していれば、自分の志向のさっに気づいて、間違った判断を修正しやすくなりますし、他人の思考の錯覚を利用して、自分に有利に物事を進めることもできるのです。
と本書に記載されています。
具体的な内容? 5章まで無料ですので、そちらをご覧ください。
最後に
この本を読んで、僕も脳の構造を理解し、実力だけじゃ評価されない現代社会を生き抜くために、いろいろ工夫しようと思えるようになりました。
人生100年時代を生き抜くために必要なサバイバルの技術が凝縮せれています。
ぜひ読んでみてください。