炭治郎が錆兎に勝つことができたのは、「隙の糸」が見えるようになったからだった。隙の糸は、炭治郎の刃から相手の隙に繋がっていて、相手の臭いに気づいたときに見えるようになるのだと言う。

無事岩を斬り終えたので、鱗滝は炭治郎に最終選別を受ける許可を出した。だが、正直なところ鱗滝は、炭治郎に最終選別に行かせるつもりはなく、例の岩も炭治郎には斬れないだろうと思っていたそうだ。

鱗滝は初めて炭治郎を褒めると、豪華な食事をご馳走した。そして、鬼の強さについて炭治郎に話し始めた。

鬼は、人を食べた数だけ強くなる。そして、いずれ鼻が利くようになると、炭治郎にも臭いで鬼が今まで何人食べたかが分かるようになると言う。

鱗滝に、災いから身を守ってくれるまじないがかかった「厄除の面」をもらった炭治郎は、翌日禰豆子を残して家を後にした。別れ際に、炭治郎が錆兎と真菰の名前を口にすると、鱗滝はひどく驚く。

実は、鱗滝の弟子であった錆兎と真菰は、すでに死んでいたのだ。

最終選別の会場は、鬼が苦手とするフジの花に覆われていた。そして、最終選別の内容とは、フジの花が無く、鬼がうようよいる場所で７日間生き延びることであるとアナウンスされる。

開始直後、太陽が真っ先に昇る東を目指して走っていると、炭治郎は二匹の鬼に遭遇する。炭治郎はこれを修行で得た呼吸法と型で何とか乗り切った。

ちなみに、鬼の急所は首で、鬼殺隊の持つ特別な刀で斬ると、鬼は蒸発してしまう。炭治郎は、同じ刀を鱗滝から受け取っていた。

この直後、炭治郎はとんでもなく大きな異形の鬼に遭遇する。そいつは別の少年を追いかけていた。炭治郎は、鬼に捕まった彼を助けるため、その鬼に挑むことを決意する。

鬼の異様な容姿とあまりの大きさに怯えるも、呼吸を整えてなんとか少年を救う炭治郎。しかし、鬼の方は腕を斬られたのにまったくダメージを受けていない様子。それもそのはず、鬼の身体は自由自在に変形し、何本もの腕を生やすことができるのだった。

鬼は、炭治郎の面に目をつけると、鱗滝の名前を出す。この鬼、実は鱗滝によって、47年前に現在の身体に捕らえられてしまっていたのだった 。

そして、そのことを恨んでいる鬼は、すでに鱗滝の弟子を13人食っていた。錆兎と真菰もこの鬼に食われて死んだのだと言う。

怒りに駆り出され、炭治郎は鬼に向かって走り出す。が、呼吸が乱れていたために、炭治郎は突き飛ばされて気絶。厄除の面も割れてしまう。

いよいよ鬼が炭治郎にトドメを刺そうとしたそのとき、夢の中で炭治郎を呼ぶ声がして、炭治郎は我に帰る。

「こいつはこのままにしておいちゃいけない」。そう心の中で強く思った炭治郎は、もう一度一人鬼に立ち向かって行く…。